RDBMSは、商用のものから無償で利用できるものまで非常に多くの製品があります。
代表的なRDBMSを挙げると下表のようになります。
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| Oracle Databese | Oracle社が開発する世界シェアNo1のデータベース。企業での基幹システムで利用されることが多い |
| DB2 | IBM社が開発するデータベース。メインフレームや商用UNIX環境でのシェアが高く、堅牢性に定評がある |
| Microsoft SQL Server | Microsoft社が開発するデータベース。Windows環境でのシェアが高く、使いやすさも定評がある |
| HiRDB | 日立製作所が開発する国産DBMS。社会インフラや金融機関など数多くの採用実績を積み上げている |
| MySQL | 軽く、高速で使いやすさに定評がある。 オープンソース データベースでは世界最大のシェアを誇る |
| PostgreSQL | MySQLと並び世界で利用されているオープンソースのデータベース |
MySQLやPostgreSQLは無償で利用できるにも関わらず、商用データベース製品と比べて何らそん色のない機能を持ち、安定して動作します。
ただし、商用のものは、定期的なアップデートやサービスパックが配布され、技術サポートなどを製品開発ベンダーが受けられるなどのメリットがあります。
商用ソフトウェアとオープンソースソフトウェア
商用ソフトウェアとは、商用利用する場合は有償となるソフトウェアのことです。その金額ですが、DBMS製品はものすごく高いです。はじめてその金額を聞くと耳を疑うことでしょう。また、ライセンス体系も複雑で、しっかり事前調査しないと、痛い目にあいます。(本当に。)
少し前まではDBMSのような製品はコアライセンス(CPUコア数に応じて必要ライセンス数決まる体系)が多かったのですが、仮想化技術が当たり前となったことで、DBMS製品のライセンス体系はかなり複雑になっています。例えば初歩的な内容として、CPUのハイパースレッド機能を有効にした場合や、High Availability機能(VMwareHA等)を使用した場合などで必要ライセンス数が変わってきます。
見積もりもシステムエンジニアの大事な仕事ですが、このあたりのことを事前に踏まえた上で見積もりをしないと、実は追加で、見積もりの何倍ものライセンス数が必要だったことに後から気づき、悲惨な事態となります。(特にOracle Database。自分達の立場の強さを利用して一方的な条件で販売する殿様商売には怒りすら覚えたことが過去にありました。)
対して、オープンソースソフトウェア(OSS)は無償、つまりタダで使用できます。オープンソースソフトウェアとは、ソースコードが公開され、改良や再配布を行うことが許可されているソフトウェアのことで、MySQLやPostgreSQLが該当します。
無償なのでライセンスがいくつ必要なのか気にする必要はありません。必要な分、サーバー台数やCPUコア数を増やせば良いわけです。
ただ、無償だということは、有償の商用DBMSに比べると、機能が劣るのではないか、安定して動作するのかなど、懸念点が湧いてくるわけですが、実際は、そんなことはまったくなく、商用DBMSと比べてもそん色はありません。
ここまでの内容だと、商用DBMSを採用する理由がないように思えます。しかし、商用DBMSにも大きなメリットがあります。それは、製品開発ベンダーからサポートを受けられるという点です。
例えば、DBに障害が発生した場合は早急に復旧させないといけません。しかし、その復旧方法がわからなかったら手詰まりになってしまいます。
システムは作ったら終わりではなく、その後のシステム運用が本番です。経験豊富なエンジニアがすぐに動ける状態であるとも限らないため、製品サポートがあるということは非常に心強いというわけです。
また、システムが停止していた時間に比例して損失も拡大していきます。大規模システムではその損失額は膨大です。そのため、金額は高くても商用DBMSが採用されるというわけです。
