MySQL(マイエスキューエル)は、世界で最もシェアの高いオープンソースのデータベースです。オープンソースソフトウェア(OSS)として、無償で利用できます。
LinuxやMacOS、商用UNIX、さらにWindowsなど多くのプラットフォームをサポートしています。安定性、信頼性などのデータベースとして欠かせない機能も整っています。加えて、動作も軽く、有償となる商用DBMSと比べても、機能や性能など何ら遜色はないと言えます。
MySQLの歴史
MySQLというと最近流行りだしてというイメージがあるかもしれませんが、バージョン1.0がリリースされたのは1995年であり、歴史は古いです。
MySQLはもともとミカエル・ウィデニウス氏が開発され、同氏により、後にMySQL ABを設立します。
2008年にサンマイクロシステムズ社に買収され、さらに2009年にはサンマイクロシステムズ社がOracle社に買収され、現在はOracle社のオープンソース事業部門の管理下にあります。
MySQLを筆頭に、OSSのDBMSは年々進化し、システムに必要な高い信頼性、機能性、性能を十分満たせます。そのため、現在では、小規模、中規模システムのみならず、大規模システムにも採用されています。
世界シェアNo1のMySQL
MySQLのダウンロード数は1000万人を超えたと言われており、OSSでは世界で最もシェアの高いデータベースとなっています。商用データベースを含めても、Oacle Databaseに次ぐ、世界第2位のシェアとなっています。
時代の先頭を行くGoogle、Facebook、YouTubeなどのWebサイトのデータベースとして利用されており、日本国内においても東京ガスやソニーといった大企業が社内システムに利用していることが発表されています。
MySQLの特徴
MySQLの特徴はやはり検索スピードが高速な点でしょう。
Google、Facebook、YouTube などの大規模かつユーザー利用頻度が高いサイトでも採用されていることからもMySQLが優れていることがわかります。
採用されているのは大規模サイトだけではありません。小さなアプリケーションから巨大なアプリケーションまですべてに対応できるほどの拡張性をもっています。
わずか1MBの容量の組み込みアプリケーションから、テラバイト級の巨大なデータウェアハウスの稼働まで対応可能なデータベースであり、柔軟性が非常に高いのも特徴です。最近では、スマートフォン向けのアプリにもよく採用されており、例えば、1000万ダウンロードを超えるゲーム「キャンディークラッシュ」や料理レシピのコミュニティ「クックパッド」、コミュニケーションアプリの「LINE」でもMySQLが使われているそうです。
MySQLは、実際の開発現場でも多く利用されます。特にWebアプリケーションを開発する環境では、「LAMP環境」と呼ばれるものが採用されます。
LAMP環境とはLinux・Apache・MySQL・PHP(またはRuby)の組み合わせのことです。それぞれの頭文字をとって「LAMP環境」と呼ばれています。
LAMP環境はOS・Webサーバー・データベースソフト・プログラミング言語すべてオープンソースソフトウェアなので、コストが抑えられることもあり、非常に人気があります。
高性能な理由
MySQLが高性能なのは、ストレージエンジンを選択できるところにあります。
ストレージエンジンとは、データベースを作成、更新、削除など基本的な操作を行うための中心の機能のことです。
例えばテーブルのデータを検索するためには、実データがどのような形式で、ディスク上にどのように格納されているかといった情報が必要になります。ストレージエンジンはこれらの情報を把握し、実データへのアクセス処理を行います。
データベースの性能は突き詰めると、いかに効率よくディスクにデータを書き込んだり、読み込んだりできるかで決まります。
MySQLでは、複数のストレージエンジンをサポートしており、アプリケーションの用途に合わせて種類を選択することができるようになっています。
その他、MySQLは独自のメモリキャッシュ機構や高速ロードユーティリティ、全文インデックス、その他のパフォーマンス強化機能なども実装されており、要件にあわせたチューニングが行えるようになっています。
