MySQLには少し変わった特徴があります。それは、オープンソースライセンスと商用ライセンスの両方を持つことです。
MySQLのソースコードは、オープンソースライセンスの1つであるGPL(GNU Public License)に基づいて公開されています。GPLに基づいていれば、自由にユーザーは配布、利用することができます。また、企業によっては、ソースコードを公開にしない商用ライセンスが好まれる場合があります。この場合は、商用ライセンスを利用することができます。
コミュニティ版と商用版
MySQLには、コミュニティ版と商用版があります。コミュニティ版であるMySQL Community Serverは、無償でダウンロードして利用できます。世界規模のアクティブなコミュニティによりサポートされます。(一般的にMySQLというと、コミュニティ版を指すことが多いです。)
当サイトでは、無料で利用できるMySQL Community Serverを使用しています。
MySQL Community Serverでも、十分に実用可能なデータベースですが、企業や政府、自治体などでは、MySQLコミュニティによる以上のサポートが必要になる場合もあります。その場合には、商用版を利用します。
商用版には主に以下のEditionがあります。いずれも、定期的なアップデートやサービスパック、技術サポート、モニタリングツールやバックアップツールなどの便利なツールが使えます。
- MySQL Standard Edtion
- MySQL Enterprise Edition
- MySQL Cluster Carrier Grade Edtion
詳細は下記サイトを参照してください。
http://www-jp.mysql.com/products
商用版は基本的には年間サブスクリプション契約(定額で一定期間の使用権を持つソフトウェアのライセンス形態)の製品であり、下記のような権利とサービスが利用できます。
- セキュリティパッチやバグFIXアップデートモジュールの提供
- MySQL Enterprise MonitorやBackupなどのツールをダウンロードし利用する権利
- ナレッジベースを利用する権利
- テクニカルサポート(Oracle Premier Support)を受ける権利(障害調査やソースコードの調査など)
また、ハードウェアやアプリケーションへ組み込んで利用するための、組み込み用Edtionもあります。コミュニティ版であるMySQL Community Serverと、商用版で最も利用されているMySQL Enterprise Edtionを比較すると、下表のようになります。
| MySQL Community Server | MySQL Enterpise Edtion | |
|---|---|---|
| 費用 | 無償 | 有償 |
| テクニカルサポート | コミュニティ | Oracle |
| パッチの提供 | コミュニティ | Oracle |
| 高度なモニタリング (MySQL Enterprise Monitor) | なし | あり |
| 高度なバックアップ (MySQL Enterprise Backup) | なし | あり |
商用版の上位エディションとなると、実現できることが増えますが、その分、使いこなすのも難しく、テクニカルサポートなどを活用することになるでしょう。
更に、商用版のMySQLでは、コンサルティングサポートというSQLチューニングやパラメータチューニングの支援を含んだサポートサービスもあります。
